いらない記憶

そっか。

優しくても優しくなくてもいいのか。

悪口を言ってもいいし、言わなくてもいいのか。

そっか。

そっかー。 

そんなふうに考えたことなかった。


幼少期のこと。

「私はこの人のようにはならない。絶対に優しい人になる。相手の気持ちをわかってあげられる人になる」って固く心に決めた出来事があった。

30年以上も前なのに震える手を覚えてた。

この誓いを守るためにずっとずっと、こんなにも他人軸で生きていたとは。


優しくても優しくなくてもよかったんだ。

そのうえで優しいほうを自分が選べばいいだけだったのか。

そう思わせてもらうと、めちゃくちゃ気持ちが楽になった。


見ている現実は記憶で満たされた主観的な世界。それなら、足を引っ張ってくるおもしろくない記憶はもういらないな。